高校野球はこのままでいいのか

野球

こんにちは。

ハッピーライフです。

今年の選抜大会は群馬県の健大高崎高校が群馬県勢として初の優勝を成し遂げました。

優勝したことのない県から優勝チームが出たことはとても喜ばしいことですが、そのチームが真の県の代表なのか?を、考えると複雑な心境になってしまいます。

最近の甲子園を見ていると、各県の代表チームは誰もが聞いたことがある学校ばかりです。

しかも選手のほとんどが県外出身者という高校が目立ちます。

私はこの状況に以前から「高校野球ってこのままでいいのかな?」と、思ってきました。

4月8日、「日刊ゲンダイ」のデジタル版に、黄金時代の横浜高校で部長を務めた「小倉清一郎」氏の、昨今の高校野球のあり方に関する記事がありました。→こちらから

小倉氏は、「県代表」という言葉の意味に触れ、「県代表というのだから、他県出身者の人数制限を設けるべきだ。」と、提言しています。

私の住む県でもここ数年は同じ高校(A高校)が代表として甲子園に出場しています。

この学校のほかに甲子園に出場するのはもう2校ぐらいです。

B高校が4年に1回くらい。

C高校も4年に1回くらい、といった間隔で甲子園に出場しています。

この3校はもちろん私立高校で、レギュラーのほとんどが県外選手で占められいます。

小倉氏によると、優勝した健大高崎高校は20人のベンチ入りメンバー中、県内出身者はわずか2人。

これで、群馬県代表といってよいのか?そんな論調でした。

私も私立高校の他県選手の多さには残念な思いをする一人ですが、その高校に入りたいと思っている子どもたちのことを考えると、一概に「人数制限」をすればいいという意見ではありません。

子どもたちの思いや希望はそのままにするとして、学校側(野球部)に「あること」を止めてもらえると、県の代表に地元の子どもたちの勇姿が見られるのではないでしょうか。

では、何を止めてもらうか・・・

私は有望選手に対するスカウト活動を止めたらどうか、と考えます。

今週火曜日、大阪出身のクライアントさん(Hさん元高校球児)と打ち合わせをした時のこと。

Hさんは、「大阪桐蔭強いけど大阪の子がおらへん」と、言い、「今の大阪桐蔭の試合はあまり見ない」と、話しました。

「全国からいい選手ばかりを取ってくるから、大阪の子が入られへん」、「大阪の子だけでも十分勝てんのになんでよそから取ってくんねん」と。

私も全くの同感です。

大阪の子どもたちが地方に行って甲子園に出場し、大阪府以外のところから来た子たちが大阪の代表になるってやっぱり変ですよね。

なぜこんなことがおきるのでしょうか。

息子が野球をやっていたころ見聞きした話をします。

チームの中で一番実力があった息子のチームメイト(A君)が、県外の強豪校からの誘いを受け入学しました。

甲子園の常連校で、テレビで見たことしかない監督が、わざわざ県外の田舎のチームに足を運んでいたのです。

5月と夏休み中の2度見かけましたが、その後まもなく、9月にはその高校への入学が決まりました。

親もひと安心し所属していたチームスタッフの期待も大きなものでした。

その話を聞きつけてきたある保護者が、「あんなところ行ったって大変だと思うよ」と、つぶやくと、別の親がこう言いました。

「新チームのショートは決まりだってよ」と。

会話を聞いていた私は「今、その約束しねえだろ」と、思わず声を発しましたが、真実は本人と保護者、チームスタッフしかわかりません。

「ショート確約」の噂はチーム内ですぐに広がりました。

もし、この話が本当で、「1年秋からの新チームのショートは君で決まりだ」みたいなことを言っているとしたら、これはとても無責任なことではないでしょうか。

他にも有望な選手をスカウトしているわけで、その子にも同じようなことを言っているのでは、と疑ってしまいます。

私はA君の父親と仲が良かったので、後日、酒の席でこの時の話を聞いてみました。

○○監督「ショート約束した?」

A君の父は、約束ではなく「ショートが一番フィットすると思うと言われた」と、教えてくれました。

やはり噂話にはいくつも枝葉がつくものですね。

こうして全国からスカウトされてきた子どもたちが何人も入学します。

地元の子どもがその高校で野球をやりたくてもできないとうことが生じてしまうのです。

ならば、ほかの県外の高校へ行こうと・・・悪循環ですね。

私はスカウト活動がなくなれば、地元の子どもたちが県外へ流れる割合はだいぶ減ってくると思っています。

なぜなら、自分の実力がわからないからです。

「この学校で自分は通用するのか?」「レギュラーになれるだろうか?」それを教えてくれる(吹き込む?)存在がいないからです。

約束されない状況で他県に進学するのは相当な覚悟が必要になります。

多くの子が県外への進学をあきらめるかもしれませんが、そんな子どもたちが地元の強豪校に残って甲子園を目指す。

地元の子が多ければ地域の関心も応援も、支援も増えてくるのではないでしょうか。

私は県外へ入学すること自体は反対ではありません。

どうしても行きたければ受験をして入学すればよいのです。

もしレギュラーになれなくても、自身でここでやりたいと決めたことには納得するしかありません。

地元でがんばっていれば試合に出場できる機会もあったかもしれないのに、県外の強豪校に進んだために全くの無名な選手になる、なんてことはよくある話です。

「レギュラーになれなくてもこの学校で野球ができればいい」なんて、言う子がいますが、本音はどうなのでしょう。

親にしてみれば、中学時代に期待されたわが子が全く試合に出られない姿を2年半もみるのはつらいものです。

「行かせなきゃよかったよ」

その言葉、何度聞いたことでしょう。

子どもたちが県外に出ていくのはスカウトたちの誘いがあるからです。

スカウト活動がなくなれば地元の強豪校に進学する子もいるはずです。

お金を使い、県外の能力の高い選手を何人も入学させれば勝つのは当たり前です。

群馬県勢初の優勝と聞いたときは「健大もやるじゃん!」と、思ったものですが。

ベンチ入りの選手20人中18人が県外出身選手と聞くと、「な~んだ勝つの当たり前じゃん」と、興ざめてしまいました。

みんな!地元で野球やろうぜ!

みんなが応援してくれるよ!

そんな思いをこめて今日は終わりたいと思います。


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