こんにちは。ハッピーライフです。
4月、5月は私の住むこの町で一番過ごしやすい季節です。
美しい景色と豊かな自然を求めて毎年多くの観光客が訪れます。
今日も、家の前を走る県道を県外ナンバーの車やバイクがたくさん行き来していました。
自慢ではありませんが、長年住んでいる私でも、ここの景色はきれいだなと感心していて、四季の移り変わりを五感で感じることのできる場所です。
その証拠に、20年ほど前から東京や神奈川の首都圏から多くの人が移住しています。
どれだけ増えたか具体的な数字いうと、昔からこの集落にある戸数は約70軒。
(20年前は約90軒でした)
新しく入ってきた戸数も60戸を超えて70戸に達する勢いなのです。
「活気があっていいじゃないか」
そんな声もありますが、田舎独自の風習を理解していただけないこともあり、ただ人が増えていいとはいえないのが本音のところでです。
生まれた場所も育ってきた環境も違うのでそれは仕方ないにしても、一昨年あたりから新たな問題が出てきました。
それは出戻り現象です。
田舎暮らしは孤独で不便
私の住む町には、景色やのんびりした時間にあこがれて、現役を退いた人たちが多く移住してきました。
移住者のほぼ8割が60歳以上の夫婦です。(犬も多いです)
子どもたちは都会で暮らし、親だけが田舎にやってきます。
迎える側としては、高齢者より若い人たちに来てほしい思いがありますが、仕事の都合もあって現役世代はほとんど見当たりません。
2年前、同じ組に住む70代の女性(Aさん)が以前住んでいた東京へ引っ越しました。
隣の人の話では、都内の賃貸マンションで一人暮らしをするそうです。
この女性は3年前にご主人を亡くし以後一人で住んでいました。
二人で生活しているときはご主人の運転で買い物や用事を済ませていましたが、一人になってからは車の免許がないということもあって不自由さを感じていたようです。
私の住む町は何をするにも車がないと生活できません。
一人1台車が必要なところなのです。
隣の人に頼んだりして過ごしていたようですが、毎回となるとお互いいろんな感情が出てくるものです。
Aさんはご主人がなくなった1年後に引っ越しました。
コンビニもお店も病院も、すべて車がなければ行ける距離ではなく、また、話し相手がいなくなったあとの田舎暮らしは相当こたえたのではないでしょうか。
高齢者は寒い所より暖かい所
もうひとつ高齢者に田舎暮らしは不適、という例を上げます。
30年ほど前、若者が訪れる観光地にリゾートマンションが建ちました。(私の家から車で35分)
当時は3千万円を平均に売り出されていました。
ところが、観光地としてすっかり衰退してしまったその場所では、このマンションの売値も下落する一方で、昨年聞いた話だと、今はなんと500万円にまで下がっているそうです。
当時の賑わいはまったくなく、現在の入居者は当時の5分の1。
この情報を得た私のクライアントさんが「退職したらここに住もうかな」と、言い出しました。
田舎者の私としては「正気ですか?」っていう話・・・。
先ほども書いた通りこの場所は観光地であり、また、県内でも有名な避暑地でした。
「避暑地」いうことは「冬は寒い」ということです。
周りは山に囲まれ、やはりどこへ行くにも車が必要です。
冬は毎朝氷点下で、ー10度近くになる場所です。
そんなところに高齢者が移住するって本気ですか?って。
「絶対止めた方がいいですよ」と、即答しました。
寒いところでの高齢者の田舎暮らしはデメリットの方が多いのです。
若い人こそ田舎暮らしを
田舎は空気がきれいだし景色も素晴らしい。
そんな環境に憧れて余生をゆっくりと・・・と、いう方が多く越してきますが、残念ながら高齢者に田舎暮らしはおすすめできません。
本当に住むべきは若い人たちではないでしょうか。
特に子どもがいる世帯に田舎暮らしを勧めたいですね。
子育て世代にとっては食の安全はとても重要です。
田舎には無農薬野菜や有機農法で栽培された食材を生産している農家がいて、安く手に入れることも可能です。
空いた畑を借りて自分で栽培してみるのもおもしろいですよ。
また、都会に比べ絶対的に人の数が少ないので、その分ストレスも少ないはずです。
熱い寒いを自然の中で感じ本当の四季を感じられるのも田舎の良いところ。
車さえあれば不自由もないと思うので、若い人にこそ田舎生活をおすすめしたいのです。
引っ越していった先ほどの女性のほかにも、この先どうするんだろう?と、心配になる移住世帯が近所には何軒もあります。
他人事だから・・・とはいってもな~。
私が思うに、高齢者に一番最適な生活環境は、近くに病院があって買い物はエレベーターで降りた1階にコンビニかスーパーのあるマンションではないでしょうか。
年を取ってから田舎に来ても大変なことばかりです。
「リタイヤしたら田舎に住もう」
本当に大丈夫?
覚悟はできてますか?
ぜひ考え直してほしいと思います。
若い時は田舎へ、年を取ったら都会へ、というのが、わたくし田舎者の考えです。
それではまた。
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